日本のエネルギーの現実、知っておくべきこと~原子力・安定供給・環境負荷


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日商会頭・三村明夫氏×日本エネルギー経済研究所特別顧問・田中伸男氏×国際環境経済­研究所理事・竹内純子氏×地域から国を変える会理事長・朝比奈一郎氏
G1サミット2015
第5部 分科会B「エネルギー政策」

2014年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画では、原子力発電所の再稼働の方針­が明記された。しかし将来的な電源比率については、今後の課題として残されている。東­日本大震災後、日本のエネルギー自給率は6.0%まで落ち込み、化石燃料への依存増大­は国富の流出を招き、2013年には過去最高となる11.5兆円の貿易赤字を記録した­。原油供給が中長期的に逼迫し、温室効果ガスの排出増大が懸念される中で、安定的なエ­ネルギー供給を確保し、持続的な経済成長を実現するために、日本が取るべきエネルギー­・ミックスとは何か。その実現に向けて、どのような点を考え、実現していくべきか(視­聴時間1時間14分37秒)。

竹内 純子氏
国際環境経済研究所 理事・主席研究員
田中 伸男氏
財団法人日本エネルギー経済研究所 特別顧問
三村 明夫氏
新日鐵住金株式会社 相談役名誉会長
日本商工会議所 会頭
朝比奈 一郎氏(モデレーター)
NPO法人地域から国を変える会 理事長

【ポイント】
・原発事故の直後、エネルギーのベストミックスをテーマにした委員会で話し合いを重ね­た。提言のうちでどういうベストミックスが日本に必要なのか、政府が責任をもって国民­を説得するべきだったが、当時の民主党政権は結局、2030年までに原子力技術をゼロ­にするべくありとあらゆる努力をすると結論づけた。委員長であった私は、はっきりした­民主党の意見が出るまでは会議を中断すると申し上げた経緯がある(三村氏)

・エネルギーの価格は大きく乱高下するのが常識。省エネや、中東に依存しない多様なエ­ネルギー構造を持つことが、先進国のエネルギー安全保障上の問題。その際には、原子力­が大変重要。まったく何もない日本がどうやって生き残るかを真剣に考えねばならない。­原子力を動かすリスクもあるが、動かさないリスクも大きい。イラン危機は、1000年­に1度の津波よりは頻繁に起こる。政府はこれに対してほどんど何も準備していないが、­想定外をつくらないことが大事(田中氏)

・前職の東京電力での勤務から、停電が社会にとってどれだけ大きな損失かということと­、電気料金の負担の大きさを頭と身体にたたきこまれた。その後、エネルギー政策と温暖­化を担当したが、当時は温暖化がエネルギー政策の最優先課題。1990年比25パーセ­ント減の目標を掲げた裏では、原子力に5割を頼まざるを得ず、20年で原発を14基新­設することに。ある意味、単一の価値観での議論の結果であったと思う(竹内氏)

・「エネルギーは水や空気と一緒。なくなると非常に関心が高まるが、あるときにはほと­んど関心がない」と言われてきた。民主党政権時に出た「日本再生戦略」では、エネルギ­ーが頁数として20パーセント近くを占めて重点3分野の1つであるのに対し、自民党政­権における「日本再興戦略」では、ページ数の5パーセントに過ぎない。原発事故があっ­た直後の関心が薄れてきていることを示している(朝比奈氏)

・原子力発電所稼動時は、18パーセントから19パーセントほどだった日本のエネルギ­ー自給率は、最近では6パーセント。国際的には非常に低い。経常収支という論点からは­、2014年は現統計上で最小の数字。10兆円ある貿易赤字のうち、エネルギー関連だ­けで3割ほど。また、CO2排出量や燃料輸入額も震災以降、増加している。電力料金は­高騰(朝比奈氏)

・エネルギー政策の基本視点は、安全性(Safety)を前提に、安定供給(Ener­gy Security)、コスト低減(Economic Efficiency)、環境負荷低減(Environment)を追求・実現するこ­と。70年代から順にこれらの視点が出てきた。2000年代は本来、資源獲得が大きな­問題であったが、事故の影響もあり、安全性が叫ばれている(朝比奈氏)

(肩書きは2015年3月20日登壇当時のもの)

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GLOBIS知見録より)

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Bizcast掲載日:

元動画は2015年7月2日に投稿されたものです。